茅葺屋根完成報告!
11/23にイベントを開催した時点では、まだ工事中だった茅葺屋根。
イベント当日にはまだ足場がしっかりある状態でした。
その茅葺屋根がこの度完成しましたので報告します。
茅葺屋根の葺き替え工事は、
新しい茅を手作業でのせていくのでとても労力のいる作業です。
更に外での作業なので力はもちろん、とても体力の要る作業なのです。
下地は「御殿場すすき」上葺きは「モンゴル葦」と2種類を使い分けました。
下地の御殿場すすき
手作業で葺いていきます。
下からコツコツと.........
機械を使わず、一つ一つ手作業。
根気の要る作業です。
茅を固定するために外から鉄棒に紐を通したものを突き刺し、
屋根裏の職人が屋根の下地材へ固定していきます。
息の合った作業が続きます。
この木の道具「カンギ」で茅を整えていきます。
棟の部分まで葺き替えるとこうなります!
ここから棟を作る作業に入っていきます。
棟は杉の皮で覆っていきます。その後、杉の皮を竹で固定。
棟上げしました~!!
棟木は「微妙な反りがあるものが良い」という棟梁のご要望で、
監督が美作まで探しに行ってきたこだわりの逸品です。
最後は刈込をして形を整えたら完成です!
綺麗に刈り揃えられました。
黄金色の屋根が美しいですね。
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さて、茅葺屋根がなぜ雨漏りしないのか?
不思議ですよね。
ススキや茅を束ねただけでは隙間があり、いかにも雨漏りしそうです。
雨漏りをしない理由は、
①「導水効果」と呼ばれる現象によるものです。水の流れる隙間があることによって、表面だけを雨水が流れていくそうです。
隙間があるから雨漏りしないというのは何とも不思議ですね。
逆に、経年劣化によって隙間が無くなっていくと雨漏りしてしまうようです。
②茅葺屋根の勾配が急だから。
急なので、雨が降っても留まらずに直ぐに流れ落ちてくれるようです。
③イネ科の植物は表面を油分が覆っており水を弾くから。
という3つの理由なのではないか?ということです。(「Q&雨仕舞のはなし」石川広三著 より)
先人たちが「導水効果」を知っていたのかは不明ですが、経験や実体験の中で生まれた知恵なのでしょうね。
感心してしまいます。
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茅葺屋根の寿命は30年以上といわれています。
使用する素材によっても違うようですが、上質な葦を使うと40年以上持つともいいます。
今回は上質な素材で葺き替えしましたので、
メンテナンスをしながら上手に管理をしていきたいですね。
今後、院庄林業住宅ではこちらの古民家を会場に
イベントを開催していく予定です!
ぜひ、綺麗になった古民家へ遊びに来てくださいね。
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